こんばんは、村上碧です。
こちらの記事で書いた通り、占い師にはいろんなスタンスの人がいますが、それはお客さまも同じです。
完全にエンタメと割り切っている人、学問のような深さを感じてくれる人、指針の一つとしてドライに活用する人などなど、本当にさまざまなタイプの方がいます。
もともと科学的根拠はない世界なので、どれも不正解ではないよなーとは思っていますが、ちょっとキケンかなと感じるのが、こんな方々。
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占いに依存しやすい危険なタイプって?
それは占いで運命や未来が「わかる」と思っている、または占いに、なにか勝手に現実を動かすような霊力が宿っていると信じているタイプ。
お客さま側にはもちろん、占い師側にも少なからずいるのですが…このタイプのお客さまは、得てして占いに依存的になってしまう割合が高いように思います。
わたしは占い依存の雰囲気がある方からのセッション依頼は丁重にお断りしているのですが、こういう方々はひとたびハマれば湯水のようにお金をつぎ込みます。
なので、巧みな話術であえて依存させ、ギリギリまでお金を引っ張るような占い師もまた存在するのです。
悲しいですが、占い依存に陥り、貯金を失った、借金がかさんだ、自己破産したなんてのはわりとよく聞く話。そもそも幸せになりたいから占いにすがるのに、こんなことになっては本末転倒です。
実は、占いで「未来」はわからない
こんなこと言うとミもフタもないかもしれませんが、正直、わたしは占いで「未来そのものはわからない」という考えです。
確かに占星術にはトランジットなどの未来予測の技法がありますし、タロットの展開にも「最終結果」みたいな位置があったりはします。
ですが、そういうのってどちらも「未来そのもの」ではなく、目の前に提示された星の位置やカードを通して「今」をとらえなおすための「見通し」にすぎません。
わたしにとって占いとは、未来予測というより、「過去」と「今」をメインにひもとく作業です。
星やカードを通して自分の来し方や今のあり方を見直し、今後望む未来にたどり着くための「行動」をうながすツールだと思っています。
なお、なにもこのツールは占いでなくても全然よく、人によっては心理カウンセリングだったり、コーチングだったり、自分の信仰だったり、読書だったりもするでしょう。
友達とのおしゃべりだって、瞑想だっていいと思います。ただ単に、わたしには占星術やタロットが合っていたというだけの話です。
また、占いやセッションそのものには、現実を勝手に動かしてくれる魔法の力はありません。「ツール」以上でも、以下でもないのです。
なので、占いというものに対してなにかものすごい期待を抱いている人に接すると、なんだか違和感を感じてしまうのですね。
ご相談に「自分の意志」が感じられない不思議
で、そういう違和感を単に「考え方が合わなかったんだな」というだけでさっくり片づけられないのにも、理由があります。
例のタイプのお客さまって、ご相談に「自分」という主語がびっくりするくらい出てこないんです。
「この先どうなりますか?」
「彼は出世しますか(お金持ちになりますか)?」
「どっちを選べばうまくいきますか?」
…といった感じで、占いにヒントではなく、モロに「答え」を求めている。
自分の内面ではなく外の世界・他人にばかり目が向いている。
「わたしがどういうアプローチをすれば現実が動きだすのか?」といった発想がまるで感じられず、あたかも現実の方から自分の思い通りに歩み寄ってきてくれることを期待しているような感じです。たぶん、無自覚なんですけどね。
わたしはあからさまに口出しはしない方ですが(やんわり言うことはあるけど)、そういう様子を見るとなんだか色々心配になります。
占い会社などは集客やリピート率維持のために、必要以上に占いに神秘的イメージを持たせたり、「当てます・救います」とあおってきますが、あれはおそらく占い自体をよく知らない、または理解のない経営陣たちが打ち出しているコンセプト。
そもそも、占いでなにもかも見通すなんて絶対に無理だということは、冷静に考えれば誰にでもわかります。
それに、占いでお手軽に未来や答えがわかったりするほど、世の中甘くはありません。
まとめ・占いで、答えはわからない。でもヒントにはなってくれる
残念ながら占いで答えはわかりません。ただ、ヒントには大いになってくれます。
占い会社や利益至上主義の占い師に振り回されないように、占いにも限界があることしっかりと受け止めましょう。
そしてブレない自分の軸と、荒唐無稽な商売文句に惑わされない判断力も養っていってほしいなあと思います。
自分の人生を動かせるのは自分自身しかいないし、その人生だってたった一度しかないのですから…。