こんばんは、村上碧です。
今回はエッセイなんですが、「母親」にとってはとても深い意味を持つ、月について書いていたいなと思います。
占星術で誰かのキャラクターを読み解くには、太陽と月の星座がとても大切です。
というのは、太陽星座は表の顔、月星座はプライベートでの顔を示すので、このふたつの星座の特徴をミックスしたものが、占星術でいうその人の「キャラクター」の柱になるからです。
わたしは太陽が双子座で、月が射手座。
双子座も射手座も学び好きでフットワークが軽く、好奇心が旺盛というエネルギーがあります。なので、どちらにしても自由というか、あんまりとらわれのないタイプだったりするんですが…
一方でわたしの母は太陽が牡羊座で、月が牡牛座。それぞれの星座のもつ特徴にけっこうな開きがあるタイプでした。
ちなみに牡羊座は自分の直感を信じてとにかく猪突猛進、牡牛座は優美で慎重なエネルギーを持っています。
ですが、わたしが子どもの頃から長~いこと見てきた母のイメージは、牡牛座の部分がほとんど。
もともと銀行員をしていたほどとても堅実な感覚を持っていて、家計やスケジュールの管理センスは抜群だし、そのうえ手芸や料理、ガーデニングもできるというパーフェクト主婦でした。
(わたしはその中のひとつも受け継げていない残念妻になってしまいました笑)
「こんなに牡羊座っぽくない人もそういないな…」と常々ひそかに思ってましたが、占星術的に言えば自然なことなのかもしれません。
月は、「プライベートでの顔」だけでなく、「母親としての側面」も示す天体ですから…。
なので、母は牡牛座の特徴を通して、母としての役割を果たしていたのだと思います。
ですが、わたしが結婚して家を出たあたりから、少しずつ母の牡羊座っぽい面が見え始めてきたのです。
突然ダンスの習い事を始めたり、好きなモノを熱心に集め始めたり、思ったことを良くも悪くもポンポン口にしたり。
かつてのおとなしい母のイメージからは考えられないくらい、元気で活力あふれる感じなのですよね。
もちろん子育てが終わり、娘ふたりもすでに嫁いでいるわけなので、そのあたりの解放感や経済的余裕みたいなものもあるのでしょうが…
わたしはそんな母を見ていると、なんだか申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちが入り混じったような、複雑な気分になるのです。
お母さん、今まで牡羊座のエネルギーを、ず~っと押さえていたんだな~…と。
わたしは「子ども」という身分に甘えていたな…。
わたしがもっと早くに精神的に自立していれば、母を母親としてだけじゃなくて、もっと一人の人間として尊重してあげることができたのにな、と。
つまり、母を月星座に縛り付けすぎて、太陽星座のほうを引き出してあげられていなかったのではないかな、なんて思うのですよね。
そんなこと、大人になってからでないと誰しも考えられないものかもしれませんが、わたしが「親孝行しなきゃな~」と思う根底には、こういうちょっと切ない気持ちがあったりするのです。
わたしのように、太陽と月の特徴が似通っている場合はさほどこういう反動はないかなと思うんですが、母のようにそれぞれの特徴がまったく違うと、いろんな葛藤を抱えやすくなります。
もし、これを読んでいるあなたさまが「母親」で、わたしの母と似たような感じだったとしたら。
ぜひ月星座に一意専心せずに、社会的な顔である太陽星座の部分も、そして他の天体も…ぜひなんらかのカタチで生かしてほしいのです。
そうすることであなたさまのバランスもとれますし、お子さまにもきっと、より輝いているママの顔を見せることができるはず。
子どもがいると(まだ小さい場合は特に)どうしても忘れがちになりますが…
あなたさまも母親である前に、ホロスコープで10天体の祝福と恵みをうけている一人の人間です。
あなたさまはそれを今世で、のびのびと発揮するポテンシャルを秘めているのだということを、どうかどうか、忘れないでほしいなあと思っています。
お子さまを慈しむかたわら、ぜひ、ご自身の天体にも目を向けてみてくださいね。