こんばんは、村上碧です。
先日Twitterでドリーン・バーチューさんの現在の状況に関する記事がリツイートで流れてきたのですが、こちらに関してなんとなく感じたことをつらつら書いてみようかなと思います。
ひとまず調べてみたことをまとめると、
「天使を題材としたオラクルカードデッキや著作物で熱狂的な人気を得ていたドリーン・バーチューさんが、キリスト教の洗礼を受け、これまでビジネスの柱としていた天使やタロットを通したリーディングから離れることになった」
…といった感じです。
ようは「聖書で禁じられているようなことは今後やりません」、という意味合いなのかと思います。
キリスト教は聖書で霊媒や占いがタブーとされていますし、これまで彼女が生み出してきたデッキには他宗教の神々やアセンテッドマスターと呼ばれる存在が多数盛り込まれていますからね…。
ドリーンさんに詳しい方からすれば今更なニュースかと思うのですが汗、わたしは彼女の最近の動向をよく知らなかったので、それはもうびっくりしてしまいました。
なんだか「パウロの回心」みたいだなと。
ドリーンさんのカードデッキはとても人気がありますので、少し大きめの書店に行けば精神世界のコーナーにたくさん並べられていますし、わたしもそれを手に取って眺めてみたことはあります。また、知人でもドリーンさんのデッキを愛用されている方は少なくありません。
ですがわたし自身は、彼女のオラクルカードに対しては一定の距離を置いてきました。
もちろん否定は全然しないのですが、「ちょっとわたしには合わないかなぁ…」という感じです。
理由としては、「どのデッキ・カードにもすべて前向きなことしか書かれていない」、「徹頭徹尾ポジティブな世界観が個人的にちょっと肌に合わなかった」ことでした。
(わたしはドリーンさんの講座を受けたり、深くオラクルカードについて学んだことはないので、もしかしたらわたしのイメージを払拭するような「使い方」はあるのかもしれませんが…もし勉強不足であれば申し訳ありません)
ですが、ドリーンさんが手がけてきたデッキそのものはどれもとても美しく、たくさんの人を惹きつける魅力が確かにあったと思います。
それにしても「イエスとの出会い」で強烈な変化が内面に起こったとはいえ、ずいぶん思い切ったことをなさったなぁと…。
ドリーンさんの著作物は38か国語(!)で出版されているそうで、まさに世界中にファンがいらっしゃるような状況。
それに彼女は独自の認定講座も開講していたので、彼女から資格(「エンジェルカードリーダー」等)という「職業的なお墨付き」をいただいている方も多数いらっしゃるでしょう。
「天使やタロットを通したリーディングをやめます!」ということは、どうしても彼女の教えに共鳴してくれた方々に少なからぬショックを与え、迷わせることになってしまうはず。
また、彼女の影響力はすでに自分の力ではコントロールしがたい範囲にまで及んでおり、すでにアメリカ国外の市場に出回っている著作物やカードデッキ、オンライン講座等々については販売の差し止めが難しいそうで…(販売権を売ってしまっているため)。
そのため、彼女の意思とは裏腹に外国では以前の教えが今なお学べてしまうという、なんとも矛盾した状況になっています。
多くのファンや関係者にショックと混乱をもたらしたであろうこの件ですが、どうしてこんなことになったのか…彼女の本当の胸の内はわかりません。
なのでここから先は完全にわたしの推測でしかないのですが、もしかしたら、シンプルに疲れてしまったのかな?と…。
この記事を書くにあたって、YouTubeでドリーンさんのインタビューをいくつか見たのですが、ドリーンさんはもともと占いを「未来予測」としてとらえており、「ことあるごとに『答え』を求めるためカードを引いていたが、それは中毒だった。そう神は教えてくれた」といったことをおっしゃっている部分がありました。
わたしはもともと占いの未来予測や当たり外れの側面にはクローズアップしておらず、自分のためにタロットを出すのも数か月に一度くらいの人間なので(もちろんブラッシュアップや研究は別ですが)、「そうか、それはきっと大変だっただろうな」と感じたのです。
カードに「答え」があるととらえるならば、きっと壁にぶつかるたびにカードに頼ってしまう(依存してしまう)でしょうし、現実と出たカードの内容が相矛盾するような場合は、ますます迷いが深まってしまうことも起こりうると思います。
それに、ドリーンさんご自身がかつてそういった姿勢で教えを説かれていたのであれば、集まってくる生徒さんたちも少なからず同じようなタイプの方がいらしたんじゃないかなと。
占い師をされている方ならわかっていただけるかな…と思うのですが…占い・占い師に「ヒント」ではなく、モロに「答え」を求めてくるタイプのお客様に応えることって、けっこう大変です。
(なのでわたしは事前にその旨はお伝えします)
この点に関してはリツイートで回ってきた記事のブログ主さんも同じような推測をされていましたが、やはり限界を感じられてしまったのかな?なんて思ってしまいます。
「グル」であるのも楽ではない、という…。
かといって、回心したとはいえ突然これまで築き上げてきたビジネスを覆すのが果たしてベストな選択だったのか…。
平和的に引退という形をとったり、近しい・理解ある方に事業譲渡をするなどではダメだったのかな?と思ったりしますが、どこまで考えても他人であるわたしには、「答え」はわかりませんし、出すこともできません。
彼女自身がこうしようと決められたのだから、これが「彼女の答え」なのでしょう。
ただ、これまでの教えを事実上撤回するような表明をしてしまった以上、今後彼女は過去と現在の信条のちがいを問われ続けることになるかと思います。
でも、それもまた彼女がそうしようと決めたのですから、覚悟の上でのご決断なのでしょう。
彼女が心安らかに残りの人生を歩んでいけるよう、また彼女の教えを信じていた方々がもう一度それぞれに前を向いて歩んでいけるよう、願ってやみません。